男子メシをするなら、調理と同時に後片付けもセットで考えた方が良い
学生時代、飲食店のキッチンでバイトをしていました。
場所は新宿、特にピーク時は、自分が千手観音だったらいいのに、というくらいにやることは山積みです。
そんな環境でやっていると、最短で工数をこなし、空いた時間を無駄にできなくなっていきます。空いた一瞬で空になったバット変えて…など頭に中でシミュレーションをしながらやる(そしてたまに目の前のことをミスる)、ということを繰り返していました。
時は経ちましたが、自分はいまでも料理をよくするし、会社に弁当を持って行っている弁当男子を演じていたりします。しかも会社でもっていった弁当箱をその都度洗って持って帰ってくる徹底をしています。
さて。
トレーニー(筋トレする人たち)界隈の人なら結構やっている人が多いけれど、食事が身体づくりの8割という言葉もあるくらい、三食ないし間食たちはカラダづくりの重要な要素になっていきます。
そんな中でPFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物)の良い外食や軽減税率で話題の中食をしようとすると、自ずと高くつくので自炊という選択肢になってきたりします。
例えば、意図したバランスの食事をコンビニでしようとすると単品を積み重ねて1000円近く行くことも珍しくなかったりするのです!
やはりそうなってくると自炊が大事な要素になってきます。
自分は料理・調理というものが好きなのもあり、ある意味趣味としてやっていたりしますが、やはり時間がかかるのが最大のネック。
忙しい毎日(忙しい風を装っているけど、Youtubeとか見ちゃうのはなぜだろう)の中で、所要時間をミニマイズすることは、持続的な自炊生活のために必要な要素ではないでしょうか。
そこで冒頭にあげた、頭の中のシミュレーションが大事になってくると思っています。
まずは自炊をする目的とは?
作り置きの場合もあるけれど基本的には目的は食べるかと思います。そこに行くまでのプロセスに必要な要素は変動あるにせよ大まかには
在庫調査→必要品の調達→仕込み→調理→片付け→食事
という一連のプロセス、かっこよく言うとバリューチェーン全体であり、どれもかかすことはできないのかなと思います。
The Goalというおそらくメーカー出身なら読んだことがあろう名作があるのですが、そこのキーメッセージは一つ、ボトルネックを潰そう、ということです。
料理でもこのボトルネックを潰すことが大事になってきます。
私はProject Management (以下PM)を生業にしてそれだけもご飯を食べられる(≠自炊)の状態なのですがその考えを転用してみましょう。
私は料理こそProject Managementだと思っています。
以前、Project Management研修というものに参加したのですが、そこの講師が料理をプロジェクトマネジメントに例えて説明していたのですが、自分と全く同じ考えをしていたのでそこから引用してみます。
PMにおいてクリティカルパスという大事な考えがあります。
クリティカルパスとは、プロジェクトの各工程を、プロジェクト開始から終了まで「前の工程が終わらないと次の工程が始まらない」という依存関係に従って結んでいったときに、所要時間が最長となるような経路のこと。その長さがプロジェクトの期間を表している。
適切な例えかわかりませんが、火の無い所に煙は立たぬという言葉がありますが、煙が立つためのクリティカルパスは火がある、ということになります。この例え、ものすごく分かりづらいですね。
カレーライスを作るという行為で考えましょう。
たとえばこの中で一番時間がかかる要素は何でしょうか、それは米です。炊飯です。
私でいうと家に玄米しか在庫がないので、まず水につける時間が長い、炊飯も時間がかかる。米がないとライスカレー、間違えました、カレーライスは成り立ちません。
そこで何をするか、バリューチェーン全体で考えると、たとえば買い出しの前に水をつけてしまう、なんなら前日の夜から水につけて、腐るのが心配なら冷蔵庫でやっておくなどが考えられます。
私は、貧乏暇なしの状態なので、いつも何かに追われているので、料理をするときも買い出しのときからすべて何が最適なプロセスか=所要時間を減らしたい、ということをずっと考えています。
PMという文脈でいうと、私はコンサル部門で仕事をしており、PMやPMO(Project Management Office)だけで仕事を受注したりすることもあります。その部門のデパートメントヘッドをしていたりしています。
部下にいつもいっているのは、PMをする上で君がすべてやる必要はない、それをManageすればいいだけ。必要ならどんどん仕事振れ、でも有事の際に説明責任は君にある、ということです。
自炊での料理の際、自分ひとりでやるとして、頼れる相手(仕事をふる相手)はテクノロジーになると思います。
私が敬愛するYouTuberのシャイニー薊さんも言っていることですが、調理の際に使える器具は全部使え、特段彼はミキサーやフードプロセッサーを敬愛しています。
料理においても全部自分でやる必要はなくて、ピーラー使えばいいし、味の素使えばいいと思うし、、目的が達成されれば良いと思っています。料理を作る目的が達成されればよいのです。
PMとはなにかということでいつも自分のメンバーに言っているのは、すべてのリソースをオーケストレートする指揮者であれということです。(カタカナばっかりですが…)
PMにおいてはRACIというフレームワークがあります。
- Responsible(実行責任者) - タスク達成のために働く責任者。複数のリソースについて責任を持つことがある。
- Accountable(説明責任者) - タスクの正しい完了について外部からの問合せに対して責任を持って対応する。各タスクの窓口は1つでなければならない。
- Consulted(協業先) - 意見を求められる者。双方向の対話。
- Informed(報告先) - 進捗を常に把握している者。一方向の通信。
料理の作り手はA=Accountableに当たります。作っているのだから説明責任があります。まずいのを作ったときに、例えば料理に失敗したとして、まずいのは炊飯器のせいだとか言い始めたら端的にダサいでしょう。
なので、休日のあなたはシェフであるべきですが、平日のあなたは食材と調理器具すべてをオーケストレートする指揮者でなくてはならないのです。
— くまくりん (@Kumakuring) May 9, 2019
的なプレゼンを黒いシャツ着て、ボディランゲージ多めでドヤ顔でしてみたい
その中で、限られた時間をいかに有効的に使うか、ということを考えると、
先ほどのバリューチェーン、つまり
在庫調査→必要品の調達→仕込み→調理→片付け→食事
をいかに最短でこなせるかが大事になってきます。
米は先に対応する、みたいな当たり前のところから、フライパンに火が入るまでの10秒間で何枚皿が洗えるか、という世界で切り詰めることも必要になります。
自分はここの領域は得意なので、ホームパーティーをしていると大体全部作り終える頃には、調理で使ったものも同時に全部洗い終えていたりします。
ここでタイトルの項目と近づいてきます。
タイトルでは男子メシと書きましたが別に性別に変わりはないしなんか今のご時世、時代錯誤感はあります。ただこのタイトルにした理由としては。
男子ごはん好きでよく見てますが、結構時間かかるのと、恐らく作り終わった後大量の洗い物の山になるのでハレの日とかパーティで作ってみます!のスタートポイントとしてはいいけどサステナブルではないよなぁとは思います
— くまくりん (@Kumakuring) May 9, 2019
我々男子達がこの番組見て、家事手伝って食べる頃にはシンクが悲劇、なんてことがなくなるといいなと常日頃思っています。
自炊って経済的・健康的でいいよね、世界中が幸せになれ!というSMAPの歌詞にありそうな気持ちで書いてみました。
やらざるを得ない状況を作らないと、なかなか何かを習得できないという話
自分はコツコツやるのがなかなか苦手で、将来使うかもというだけで、何かに備えて知識習得することができた試しがありません。
例えば、就活に活きるかもという段階でTOEICの勉強したり、簿記取得したりしていた学生時代の友人たちもたくさんいました。私にはできないことなのでものすごく尊敬しています!
資格があっても活きるかわからない、といって批判するひと(そういう人は何やってても批判する)もいるけれど、ダラダラYoutube見ているよりは何かしらの形で将来の自分に貢献できる可能性が高いのではないでしょうか。そのため時間のアロケーションと必要な若干のコスト以外で損することはないのではと思うので、意味のあることだとは私も感じております。
しかしできない。自分にはできない。
例えば、大きな(失敗のできない)試験があるとする、それはフォーカスしてやるのでそれなりの知識は習得してきたように思います。
一方で、例えばTOEICというのはあまり必要性にかられたことがないので実質勉強したことがありません。別途記事に書こうと思っているが、英語に関しては仕事で使用してきたのと、必要ならば英語面接でQualifyできるのでもう履歴書上でTOEICの点数は必要ないと思うのでもう勉強することもないと思っています。(あまりないと思うけど、もう一回学生やるならTOEFL必要になるかもくらい)
英語に関して言えば、実は新卒のときに数年後には海外ビジネスをやることは既定路線でした。一方で留学経験もないので大学受験と大学の授業でちょろちょろやったっきりで、それくらいの実力。
最初2−3年は国内の営業で使わない間に、それに備えて自分で勉強することもできたとは思います。結果的に3年目には海外マーケという部署に行くのだが結局それまでにした勉強時間は計10時間とかそれくらいでしょうか…
その結果何が起きたかというと、配属されて最初、ものすごく英語に苦しみました。いきなりテレカンに出て議事録とってと言われて、、、となったり、英語で5ページくらいの資料作っといてと言われて丸一日かかったりとか。
しかし必要に迫られたおかげで英語力は今では(当初にくらべて)だいぶ伸びた気がします。
- 入社前: 英語力ゼロで海外系採用
— くまくりん (@Kumakuring) April 11, 2019
- 入社後二年間: ドメの営業で英語無
- 三年目: 海外マーケに異動、苦労する
- 四年目: 別に流暢ではないが慣れで大体こなせる
- 五年目: 米に三ヶ月出張いき、高速英語に苦しむ
- 六年目: 転職してグローバルPJのPM
- 七年目: 管理職になり英語でマネジメント
その後も、”仕事上の必要に迫れて”そこそこできるようになっております。ドキュメントの読み書きも問題ないし、英語会議でファシリテートしろと言われてもまぁだいたいのケースでは問題ないくらいになっています。
ここでだいたいのケースと書いたのは、海外の仕事をしている人はわかると思うけれど、日本人の扱いに慣れたカウンターパートだとかはたとえ外人でもわかってくれて、ノンネイティブ扱いで話をしてくれたりします。
しかし、全部ネイティブの中に入っていくときなど、会話のスピードが上がったり局面で即時でQ&A答えなきゃいけなかったりでヒアリングでもしんどいこともあったりはします。たぶんこのあたりの苦労は英語でビジネスをする限り一生続くでしょう。
しかし。現状なんとかなってしまっているため、ある程度できるというところで伸び悩んでいる気がします。おそらく英語圏に住んでインサイドセールス担当になって、電話営業かけまくる、等になったら苦戦しながらも確実に英語力は伸びる気もしますが、、
必要に迫られる、そういう局面が今後も継続して成長=何かを習得するためには必要担ってくると思います。
いまのところそのような局面をどう作るかというと、自分みたいに会社員をやっているなかで思いつくのは3つでしょうか。
- 現職で手をあげる。(今はできなくてもやれると言い張る)
- 社内でOpportunityがない、ないしは得るのが大変だったら転職してあたらしい環境に移る(ここでも言い張らないといけないかもしれない)
- プライベートで経験してみる。
最近Voicyにハマっていて、今朝ちょうどMotoさんのVoicyを聞いていたら、「どの本を読んでもとりあえずやってみなさいしか書いていないしまぁ正しい」みたいな話をしていたけれど、うまく言っているシナリオはだいたいこれです。
まずは手をあげてやらざるを得ない状況を作る→覚悟を決めて成果をだす(やっている間はめっちゃつらい)→振り返れば習得している。
少なくとも自分は、この方程式でしか習得できておりません。興味を持っても興味もって終わり、という感じです。(割と飽き性なので)
#3に関して例えば、資産運用に興味あって…という話を何度も聞きます。
自分の場合も興味があるだけで興味だけ持ったまま、社会人の最初5年が過ぎていきました。しかし、100万ぽんと証券の口座に入れてポジション取ってからの半年くらいで5年分で得た知識の数倍くらいの何かを得たと思います。
入社直後からやっていれば、経済どん底からのアベノミクスで資産は数倍になっていましたが…
やらないことがリスク、というような自己啓発のようなことは言うつもりはないけれど、これまで一貫して書いてあるように、ポジション取って(痛い目も見ながら)勉強する、おそらくこのスタンスはしばらくは続けると思います。
わい氏も何軒か投資用の買っているわけだけど、借入れで自分のB/S上の資産膨らましつつ、他人が自分の借金返済して毎月純資産増やせるという構造を経験、理解できたのは20代の大きな経験だったなと思いました。単年のP/Lで見ると全く儲からないけど…
— くまくりん (@Kumakuring) September 8, 2019
おそらく痛い目を見ることも多々あると思いますが、痛い目をみるという経験も大事かなと思っています。とはいえ大変なことになった際にこの記事読んだら、あのときの自分、何書いてんだ、アホかと思うことは間違いないでしょう。
ミドルマネジメントについて語るときに僕が語ること
先日、PRテーブルさんに特集していただいた。
現在27歳に見えるタイトルのようで年齢詐称?と度々聞かれたがまぁそれはおいておいて(?)、昨年の7月からマネジメントというものをやって一年強がたった。あまり記事では触れられなかったので、それをやってみて感じたことを書いてみたいと思う。
自分の会社はマーケティング周りのコンサルティングをやっており、日系大手メーカーだったり外資系ITの日本法人が顧客のメインだったりする。
米系外資の日本ブランチということでそんな大きい会社でもないので、部門のマネジメントをしつつ、自分がコンサルやデジタルを扱う部門の部門長になる。
そのため、レベニューレスポンシビリティー、チームの稼働率、コンサル領域の自社バリュープロポジション、コンサルのプリセールス、見積もり承認、人事評価、採用、もちろんデリバリー品質の責任、その他もろもろと、多分普通の会社の(別にコンサルとか絞るわけではなく)ラインマネージャーよりも責任範囲が広いかもしれない。
この前提の元、この一年間やってみてのラーニングを記載したいと思うが、結論をいうと常にStrugglingしながらやっているというのが本音で、常に何かしらの課題を抱えている。(なので世の中にはコンサルという職種がはびこっているのだろう…)
年下、年上、女性と一般的な多様性に加えて、海外出身のメンバーがいて英語でマネジメントしないといけない状況なので、もしかすると20代で初めて着任するマネージャーの中でも難易度は高かったのかもしれない。
そんな中で感じることはいくらでもあって無限にかけてしまうのだけれど、記事の中でこんなことに触れている。
「これまでは一個人として自分主体で顧客の未来を考え、行動していればよかった。でも、現在は 6名のメンバーを統べる立場として、チーム主体へ発想転換している最中です。 Iから Weに変わるその過程を、日々実体験しています」
このあたりもライターさんにうまく書いていただいているのだけれど、IからWeに変わるというのは自分が最初に直面したチャレンジかもしれない。
マネージャーなので自分ではなくチーム起点で考えろということは多分誰でも言われることだし、マネジメントをしたことない人でもそりゃそうだ、と感じると思う。私もそうだった。
私も入社して半年でリーダー、その半年後からマネジメントをしている。その過程で、俺俺という自己主張をしていかないといけないし、こと外資系なのでアピールも大事になってくる。
自己主張→アサイン→成果→アサインという良い循環に入ることがプロモーションをする上では、少なくとも自分には欠かせない要素ではあった。
その前提があるなかで、マネージャーになりWeという主語に変えていけ、たしかにそうだ、と実践していきたいと当時思っていたと思う。
ただし、自分ではやっているつもりでも周りはそうは見てくれない。自分でやり過ぎではないかというのが人事考課でも言われる内容になってくる。
マインドセットは急に変えられない、そう見られているところも多いだろう。一方で自分としては「その段階で考えうる最適解」を選んできたことは自負している。
例えば、自分が抜けたら仕事が回らない、と言っている人がよくいると思う。例えばあなたがそのポジションとして、加えてあなたのマネージャーが抜けるとする。あなたは晴れてマネージャーになる。あなたのプレーヤーとしての後任は特にいないか、採用かスライドで持ってくるにも定着まで時間がかかるであろう。
その状況での最適解はなんだろうか。自分の場合はーー
私の部門はコンサルをやっていることもあるので、クライアントフェーシングがベースになる。仕事は任せたいがクライアントに迷惑もかけられない。マネジメントとしての初めてやる仕事も増える、一方でプレイングマネージャーとして、自分がやっていた領域は引き続き対応しなければならない。
その結果しばらくはおそらく前者にかける時間が多くなる。そうあるべきではないとわかっていても。
もちろん、その中でも自分の部下になった人を自分なりにメンタリングをするなかで成長させようとしながら進めようとする。一方で彼/彼女はあなたではなく必然的に仕事がこぼれ、巻き取りながら進める。巻き取ることで結果的に仕事は前に進む。
その経過の先に、それを見ている自分の上司(私の場合は上は経営レイヤーである)は何を思うだろうーー「状況はわかるけど、お前自分でやりすぎ」それを言われるとぐうの音も出ない。
とはいえ、目の前にある選択の中でおそらくベストと思うことはしてきたつもりだ。もしもう一度当時に戻ったとしても(少し最適化はされたとして)きっと同じ評価をされていたと思う。このような状況なので私としてベストプラクティスは何だったか?と聞かれても正直わからない。
Managerの役割の定義は「なんとかする人」だとリンクアンドモチベーションの方から聞いた。たしかに、Manage toという英語ってなんとか対応するというニュアンスだよね、と先日うちの社長と会話をした。
なんとかする、ということに正解はないのかなと個人的には思う。こうやって少しずつ抽象度の高いことをこなしていかなければならないのがマネジメントの第一歩なんだな、と感じた。
この考える量と深さは担当のときのそれとは変わってきた気がする。その意味では、一年前よりもいわゆる成長というやつはしていると思う。
そんな中で”ミドル”として求められること、も少しずつ見えてきた。
また機会があればこのあたりに関しても考えて書いていきたいと思います。
なおこの記事は、先日Noteに書いたものを転載しています。